AEDを購入しようとしても、まず「どこで売っているのか?」それがわからない場合も多いと思います。
AEDは医療機器ですので、その販売網は医療機関向けの特殊なものでした。しかし最近ではネットや量販店などでも購入できるようになっています。
購入できる場所が増えるのはいいことですが、「どこで買うのがいいのか?」という新しい迷いも生まれてきます。
そこで現状でAEDが購入できる場所と、販売店選びのポイントをまとめてみました。
AEDの販売には許可が必要
AEDはどこでも販売されているわけではありません。
AEDは厚生労働大臣が指定する「高度管理医療機器」及び「特定保守管理医療機器」にあたり、都道府県知事の許可を得た事業者でなければ販売できません。
さらに許可を得た販売者にはいくつかの義務があり、販売・譲渡などの場合には品名や相手の氏名・住所などを記録しておくこともその義務の一つです。
販売する側としては面倒だとは思いますが、いくら一般向けに販売しているからといってもAEDは人命に関わる医療機器ですので、ある程度の規制を受けるのはいたしかたありません。
逆に購入する立場としては、許可を得ている販売者には一定の信頼をおくことができます。ちゃんとした販売店なら、まず許可を得ていないということはないはずですが、知識としては知っておいて損はないでしょう。
AEDを購入できる場所
現在、AEDを購入できる場所はおおまかに考えると以下の4つに分けられます。
1. 販売代理店
AEDの販売者として代表的なのは、やはり販売代理店です。
AEDの製造メーカーは元々医療機器の製造会社でしたが、通常の医療機器の購入者が医療機関であるのに比べて、AEDは医療機関以外の施設や個人にも販売する必要がありました。このためAED製造メーカーは従来とは違う販売網を必要としていたのです。
そうした要望に応えて、AEDの販売窓口となっているのが、販売代理店です。
2004年に民間に開放されたAEDの販売台数は2016年までに累積で約69万台になりました。それらの大部分は販売代理店による販売になります。
販売代理店の強みはこうしたAED販売の実績があることで、AEDの導入に関して一番詳しい情報を持っていることです。
また他の販売形態に比べて価格交渉もしやすく、アフターケアのサービスも充実している点も特徴です。
2. ネット販売
最近ではAEDを販売するネットショップも出てきました。
ネット販売の利点は、価格が比較的安いこと、そして何と言っても気軽さで、クリック一つで購入できるところです。
反面、購入者がどんな人か、どんな会社か、わかりづらい面が不安にもなります。
ネット販売で省略される購入前のやり取りは、面倒である反面、相手の人となりを把握する機会でもありますし、商品についての生身の知識を得る貴重な機会でもあります。
前述のようにAEDは医療機器ですので、販売する側も、購入する側もこの点を注意する必要があります。
現にヤフオクでは、こうした点を踏まえて、AEDが含まれる高度管理医療機器・特定保守管理医療機器の出品が禁止されています。
3. 大型家電量販店
意外なところで、ヨドバシカメラなどの大型家電量販店でもAEDは販売されています。
一般への普及を見込んでの取り組みのようです。
店舗で実物のAEDを見れるのは、他にはない特徴です。
しかし、他の販売形態と比べると価格は高めのようです。また、基本的には小売形態ですので、アフターケアなどにどこまで対応しているのかというのも、気になる点です。
4. 警備会社
セコムやアルソックなどの警備会社もAEDを取り扱っています。
本業の警備保障と心配蘇生は大きな関わりがあるので、AEDを取り扱うのは自然な流れなのでしょう。
販売も行っていますが、本業の警備保障と合わせたレンタルが主流のようです。
レンタルはいろいろと便利ですが、長期の場合にはトータルコストが高くなるなどデメリットもあります。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
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【AED導入】購入とレンタルのメリット・デメリットを比較
AED導入の形態には大きく分けて、購入とレンタルの2つがあります。 どちらにもメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶかによって、価格だけではなく、機種の選定や保守管理にも影響が出てきます。 導入時の ...
購入店選びのポイント
いくつか選択肢があると、どこで購入しようかと悩むところです。
単純な消耗品などであれば、価格が安いところなど、選ぶ基準はシンプルになりますが、AEDの場合はもう少し考える必要があります。AEDは購入して終わりなのではなく、消耗品の交換や設置場所の検討、買い替えなど、その後のケアも重要になってくるからです。
こうしたことを踏まえて、AEDの販売店を選ぶ際の基準を考えてみました。
AED販売店を選ぶ基準
- 価格(本体価格、消耗品コスト)
- 導入時の相談(台数、機種、設置場所、消耗品など)
- アフターケア
1. 価格
価格は安いに越したことはありません。価格が安ければ、費用を抑えられますし、またより多くの台数を購入できるかもしれません。
価格面では販売代理店とネットが有利です。特に販売代理店は交渉がしやすいので、「複数台導入で割引」という可能性もあります。
使用頻度が多い見込み(消耗品コストがかかる)のであれば、レンタルもおすすめです。
2. 導入時の相談
多くの場合、AEDに関するアドバイスをもらえるのは、AEDの販売店になります。また、AED購入の際には、機種や台数、設置場所、管理方法や消耗品のコスト計算など、いろいろと検討することがあり、専門家のアドバイスはぜひとも欲しいところです。
そうした点では、的確なアドバイスをもらえるかどうかも販売店選びのポイントになります。
この点でも、実績の豊富な販売代理店がおすすめです。
3. アフターケア
購入後にもどのようなケアしてもらえるのか、というのも大事な点です。
AEDの消耗品は定期的な交換が必要になりますし、使用するたびにも消耗品の交換が必要です(交換しなければ次回使用できません!)。多くの場合には永続的な設置になるでしょうから、AED本体の保証期間ごとの買い替えも視野に入れる必要があります。
こうした購入後のプランについても事前に説明してくれるところが、信頼の置ける販売店ということになります。また、実際のやり取りから、今後相談しやすいかどうか、という点も判断しておいたほうがいいです。
この点でも、営業担当が常に窓口になってくれる販売代理店が相談しやすいでしょう。また、レンタルを主とする警備会社も、一過性の購入ではなく継続的なサービスを提供するという点では、継続的なケアを望めます。
総合的には販売代理店がオススメ
以上のように総合的に考えると、販売代理店での購入がオススメになります。
とはいえ販売代理店もいろいろありますから、いくつかの会社から見積もりをもらって比較することから始めてみるのが一番です。もちろん、候補として販売代理店以外からも検討してみるのもいいでしょう。
AEDは価格も安くはなく、永続的な管理も必要になるので、今後付き合っていく購入店は慎重に選ぶべきです。
まずは候補の店舗・会社から見積もりをもらって、先ほどの3つのポイントをもとに比較してみましょう。