AED主要機種

AEDの機能・特徴をメーカー別に比較

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AEDを購入する際には「どの機種にするのか?」というのが悩み所ですよね。国内で一般向けに販売されている機種は基本的な機能はほぼ共通していますが、それぞれに特徴や異なる機能があります。

本サイトでは国内の主要機種7種をいくつかのポイントごとに比較してみました。購入検討の参考にしてみてください。

qimono / Pixabay

AEDを選ぶポイントとは?

国内で販売されているAEDは高度管理医療機器にあたり、厚生労働大臣が定めた基準をクリアしなければ製造販売できません。ですから認証を受けて販売されているAEDは、自動除細動器としての基本的な機能はどんな機種でも遜色ないはずです。

ただ、機種によってそれぞれ特徴はあるので、個々のケースへの向き不向きはあるでしょう。大事なことは購入する側が、「自分たちは何を重視して購入するのか?」という基準をはっきりさせて置くことです。

その上で機種選びのポイントとなるのは、大きく分けると以下の3つになるでしょう。

  1. 機能・特徴
  2. 導入時のコスト
  3. 維持管理のコスト

ここではAEDの機能と特徴について、以下の項目ごとにまとめてみました。

  • 小児対応
  • 耐用年数・保証期間
  • 使用温度
  • 重さ・寸法
  • 防塵・防水
  • 耐振動
  • 遠隔管理システム
  • その他の機能

AEDのメーカー別主要機種

比較していくのは、以下の一般向けAED主要機種7種です。

カルジオライフ AED-3100/日本光電

レスキューハート HDF-3500/オムロン

シーユー SP1/CU

 

ハートスタート HS1+/フィリップス

ZOLL AED Plus /旭化成ゾールメディカル

ライフパックCR Plus/フィジオコントロール

カーディアックレスキュー RQ-5000/日本ライフライン

小児(未就学児)対応

6歳未満の未就学児には電気ショックのエネルギーを弱めることが望ましいとされていますが、主要機種7種では全機種小児モードが用意されています。

AEDにおける小児
「小児」といえば一般的には「中学生以下」を指しますが、AEDにおいては「未就学児(6歳未満)」を指します。小学生は小児モードの対象にならないので注意が必要です。

通常の成人モードと小児モードとの切り替え方法は、「スイッチ(ボタン)で切り替え」と「小児用パッドの付け替え」の2種類があります。 「スイッチ(ボタン)で切り替え」の場合は、電極パッドは成人用をそのまま使用できます。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。

機種名 小児モード 小児用パッド
カルジオライフ
AED-3100
スイッチで切り替え 成人用と兼用
レスキューハート
HDF-3500
小児用パッドの付け替え 小児専用あり
シーユー SP1 スイッチで切り替え 成人用と兼用できるが、
小児専用もあり
ハートスタート HS1+ 小児用パッドの付け替え 小児専用あり
ZOLL AED Plus 小児用パッドの付け替え 小児専用あり
ライフパックCR Plus 小児用パッドの付け替え 小児専用あり
カーディアックレスキュー
RQ-5000
ボタンで切り替え 成人用と兼用

未就学児が多い施設では小児モードだけ使用できればいいと考えがちですが、成人が心停止する可能性もゼロではありません。

小児への対応を考慮しても、成人への除細動になる可能性があるので、手間のかかり具合を考えると「パッド交換式」よりも「スイッチ式」のほうがオススメです。

主要7機種では「スイッチ式」はカルジオライフ、シーユーSP1、カーディアックレスキューの3機種になります。

耐用年数・保証期間

耐用年数とはAEDが問題なく使用できる期間のことで、保証期間は正常な使用の範囲で起こった故障にメーカーが対応してくれる期間のことです。万が一の場合にメーカーが対応してくれる保証期間を実際の使用限度だと考えた方がいいでしょう。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。

機種名 耐用年数 保証期間
カルジオライフ
AED-3100
8年 5年
レスキューハート
HDF-3500
7年 5年
シーユー SP1 7年 5年
ハートスタート HS1+ 7年 5年
ZOLL AED Plus 7年 5年
ライフパックCR Plus 8年 8年
カーディアックレスキュー
RQ-5000
6年6ヶ月 5年

耐用年数は7〜8年、保証期間は5年というのが相場ですが、その中でライフパックCR Plusの保証期間8年は一際目立っていますね。

ただ、電極パッドやバッテリーも使用期限があり、数年ごとに交換のコストがかかるので、使用年数はこの点も考慮に入れて考えた方がいいでしょう。

使用温度

気温が低い環境ではバッテリーの出力低下などにより、AEDが正常に機能しない可能性があります。2014年には厚生労働省からAED製造販売業者へ、AEDを氷点下で保管しないなどの適切な保管方法をAEDの購入者に対して情報提供するように求める通達が出されています。

寒冷な地方では、屋外に設置したり、寒い部屋に保管しておくと簡単に氷点下になってしまいます。AEDがどれくらいの寒さまで正常に機能するのかは重要なポイントになります。

機種名 使用温度
カルジオライフ
AED-3100
ー5〜50℃
レスキューハート
HDF-3500
0〜50℃
シーユー SP1 0〜50℃
ハートスタート HS1+ 0〜50℃
ZOLL AED Plus 0〜50℃
ライフパックCR Plus 0〜50℃
カーディアックレスキュー
RQ-5000
0〜40℃

ほとんどの機種の使用気温の範囲は0〜50℃になり、氷点下では正常に機能しない可能性があります。

唯一カルジオライフのみがマイナス5℃の環境でも機能するということなので、寒冷な環境では心強いですね。

重さ・寸法

重さや寸法(サイズ)は、AEDを携帯したり持ち運びしたりする場合に重要になります。どこかに常設する場合でも、使用時には手で持ち運ぶわけですから、軽くてコンパクトなことにこしたことはありません。

以下では、AED主要機種の重量と寸法を調べてみました。寸法がイメージしやすいように3辺での容積も計算しています。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。

機種名 重量 寸法
(幅・高・奥行)
容積
(幅・高・奥行)
カルジオライフ
AED-3100
2.3kg 206・97・252mm 5,035㎤
レスキューハート
HDF-3500
1.1kg 180・50・200mm 1,800㎤
シーユー SP1 2.4kg 260・69.5・256mm 4,626㎤
ハートスタート HS1+ 1.5kg 210・72・190mm 2,873㎤
ZOLL AED Plus 3.1kg 241・133・292mm 9,359㎤
ライフパックCR Plus 1.9kg 203・107・241mm 5,235㎤
カーディアックレスキュー
RQ-5000
2.1kg 300・69・298mm 6,169㎤

AEDの重さは1〜3kgといったところですが、重さも寸法もレスキューハートが群を抜いてコンパクトですね。

スポーツやイベントでAEDを携帯する場合や、設置場所のスペースに余裕がない場合にはレスキューハートがオススメです。

防塵・防水

防塵とはホコリなどの異物の侵入に対する保護の度合いのことで、防水とは水の侵入に対する保護の度合いのことです。水際や粉塵が舞う場所でも除細動の可能性がある以上、AEDにとって重要な指標になります。

各メーカーではIP規格によって、AEDの防塵・防水性能を表しています。

IP規格とは
国際電気標準化会議(IEC)によって定められた規格で、日本工業規格(JIS)でも採用されている電気製品の防水・防塵性能を表す規格のことです。
「IP○○(○は1桁の数字)」で表され、1桁目の数字は防塵の度合いを、2桁目の数字は防水の度合いを示します。数字が大きいほど保護の度合いが大きくなります。1桁目のXは防水のみの指標であることを示しています。
機種名 防塵・防水
カルジオライフ
AED-3100
IP55
レスキューハート
HDF-3500
IP56
シーユー SP1 IP55
ハートスタート HS1+ IPX1
ZOLL AED Plus IP55
ライフパックCR Plus IPX4
カーディアックレスキュー
RQ-5000
IP55

7機種中、5機種がIP55以上の防塵・防水性能を持っていますね。IP55は防塵については「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない」レベルで、防水については「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」レベルになります。

つまりIP55のAEDは、多少の粉塵が舞っていたり、多少の水を被っても問題ない防塵・防水性能を持っているということです。

なかでも、レスキューハートは防水性能が6になり、これは波を被っても有害な影響を受けないレベルになります。

砂ホコリの多い場所や、プールや海辺などの水際での使用が想定される場合は、IP規格を参考にされるといいでしょう。

耐振動

いくつかのAEDでは、振動に対する性能も公開されています。

AEDを自動車や電車、飛行機などに保管する場合には、移動時の振動がAEDに影響を与える可能性があります。AEDも精密機器ですので、振動は基本的にはいい影響を与えません。

耐振動性能を公開している機種は、すべてMIL規格に適合しているかどうかで表されています。

MIL規格とは
アメリカ軍の備品に使用される基準の総称で、精密機器から衣類までのあらゆるものが対象とされています。
そのなかでもMIL-STD-810は温度、湿度、高度、振動、衝撃、耐水などの過酷な環境条件に対応した試験規格になります。
機種名 耐振動
カルジオライフ
AED-3100
MIL-STD-810
レスキューハート
HDF-3500
MIL-STD-810
シーユー SP1 MIL-STD-810
ハートスタート HS1+ -
ZOLL AED Plus MIL-STD-810
ライフパックCR Plus MIL-STD-810
カーディアックレスキュー
RQ-5000
-

7機種中、5機種がMIL-STD-810に適合していますね。AEDを自動車などに保管する場合には、これらの機種がオススメです。

ちなみにMIL-STD-810は複数の項目すべての試験を受ける必要はなく、試験を受ける項目を選択することができます。ですから、MIL-STD-810に適合している機種が温度や湿度でも適合しているわけではありません。あくまで耐振動の基準としてのみ採用されている形になります。

遠隔管理システム

AEDの機種の中には、別途サービスとしてリモートでAEDの状態や消耗品の期限、バッテリーの残量などを確認できるシステムを備えているものがあります。

複数のAEDを設置している場合や、設置場所が広範囲にわたる場合には便利なシステムです。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。

機種名 遠隔管理システム
カルジオライフ
AED-3100
AED Linkage
レスキューハート
HDF-3500
-
シーユー SP1 -
ハートスタート HS1+ AEDガーディアンCP
ZOLL AED Plus -
ライフパックCR Plus ライフリンクセントラル
カーディアックレスキュー
RQ-5000
-

遠隔管理システムがあるのはカルジオライフ、ハートスタートHS1+、ライフパックCR Plusの3機種ですね。

これらのサービスには別途契約が必要ですが、目視による定期的な管理が難しい場合には検討してみるといいでしょう。

その他の機能

その他にも個々の機種が備えている独自の機能を紹介します。

オートボリューム機能

これはシーユーSP1に備えられている機能で、周囲の騒音に合わせて音声ガイダンスのボリュームが大きくなります。

AEDに関するある研究では、救命講習後のアンケートで受講者の59%が「AEDの音声が小さい」と感じたと報告されています(長尾健「AED の家庭内設置とその効果評価にかかわる研究」2009)。

交通量の多い道路で使用する場合や、人が倒れたことでまわりの人間が大騒ぎしている場合には、騒音で音声ガイダンスが聞こえにくくなる可能性もあります。

Free-Photos / Pixabay

音声ガイダンスはAEDを使用する人が心配蘇生の手順を知らなくても使用できるようにするための重要な機能ですが、それが損なわれてしまうのは大きな問題です。

イベント会場など騒音が大きくなりそうな場所や、不特定多数の人が使用者になりそうな場所では、この機能があれば心強いですね。

胸骨圧迫ヘルプ機能

ほとんどのAEDには胸骨圧迫ヘルプ機能がついていて、胸骨圧迫の指示やリズム音を音声で指示してくれます。

ZOLL AED Plusの胸骨圧迫ヘルプ機能はさらに高性能で、胸骨圧迫の深さやテンポを探知して、適切になるように音声と液晶画面で指示を出してくれます。例えば胸骨圧迫の深さが足りない場合は「もっと強く押してください」と音声で知らせてくれるのです。

適切な胸骨圧迫の深さやテンポを身に付けることは経験がないと難しいものですが、この機能はそうした不安を解消してくれる手助けになります。

エスカレーション機能

JRC蘇生ガイドライン2015では1回目の電気ショックで回復しない場合には、それ以降の電気ショックの強さを上げることが推奨されています。

レスキューハードとライフパックCR Plusには、回を重ねるごとに電気ショックのエネルギーが大きくなる機能が備わっています。

まとめ

AEDの国内主要機種7種を機能・特徴別にみてきましたが、導入する施設や想定される心肺停止傷病者のタイプによって、注目すべきポイントは違ってきます。

大切なことは、そうしたポイントをあらかじめ把握しておいて、機種を検討する際のはっきりとした基準にすることです。

また、AEDの機種選定には価格や維持管理のコストも重要な要素となります。

例えば「AEDの具体的設置・配置基準に関する提言」では「心停止から5分以内に除細動が可能な配置」が推奨されていますが、これは直線距離になおすと300m間隔にAEDを1台配置することになり、導線が300m以上ある施設ではAEDは2台以上が望ましいということになります。

AEDの価格は機種によって異なるので、同じ予算内でもある機種では1台しか導入できないけれど、別の機種では2台導入することができる、というケースもありえます。

機能とともに、コスト面も考慮して検討することが大切です。







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