AEDのレンタル

AEDのリースとレンタルはどう違うのか?

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AEDにはリースもありますが、一般的な購入形態と違い、どういう仕組みなっているのかわかりづらいものです。また、同じように月々支払う形でレンタルという形態もあります。

この2つの形態はどう違うのでしょうか?

一般的なリースとレンタルとの違いから、結局どちらがお得なのか考えてみました。

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リースとレンタルの一般的な仕組み

リースとは?

一般的にリースは、物品を販売する会社と、それとは別のリース会社を含めた3社間の契約になります。

リースの仕組み

リース会社が物品の代金を肩代わりしてくれる形かわりに、ユーザーはリース会社に月々リース料を支払います。物品はリース会社の所有物になり、ユーザーはそれをリース会社から借りている形になります。

ただし、物品のメンテナンスなどのアフターケアはリース会社ではなく、販売会社の担当になり、リース契約には含まれません。

リースのメリットは支払いが分割できることですが、トータルのコストが購入するよりもお得になるかどうかはリースの種類によって異なります。

リースには大別してファイナンスリースとオペレーティングリースの2つの種類があります。

ファイナンスリースとは?

ファイナンスリースとは、資金調達色の強いリース形態で、そのリース料には物品価格に加えて、税金などの諸費用や資金調達コスト(金利)も含まれています。そのため、物品価格よりもリース料の総額は高くなります。

ファイナンスリースは途中解約は不可能で、物品の保守管理コストも使用者負担となりますが、購入するよりも支払いが分割できるメリットがあります。

オペレーティングリースとは?

オペレーティングリースとは、ファイナンスリース以外のリース形態のことです。大きな特徴として、リース期間満了時の物品の残存価格(残価)を設定してリース料を計算するため、トータルでのリース料が物品価格よりも安くなります。

また、ファイナンスリースと違って、契約期間は自由に設定できます。

そのため、期間限定で物品を使用する場合には、費用を分割支払いにできて、なおかつトータルの費用も安く済むというメリットがあります。ファイナンスリースが資金調達(借り入れ)色が強いのに対して、こちらは物品の賃貸借色が強い形態になります。

リースとレンタルの違いは?

リースがユーザー・販売会社・リース会社の3者間での契約であるのに対して、レンタルはユーザーがレンタル会社から物品を借りる2者間の契約になります。

実は、会計上はレンタルはオペレーティングリースだと解釈されています。しかし実際には以下のような違いがあります。

  • リースは契約ごとに新品を購入するが、レンタルはレンタル会社の所有物の使い回し
  • リースでは物品のメンテナンス費用はユーザー負担だが、レンタルではレンタル会社がメンテナンスを行う

AEDのリースはファイナンスなのかオペレーティングなのか?

AEDのリースはファイナンスリースなのか、それともオペレーティングリースなのか、どちらなんでしょうか?

一般的には物品価格よりリース総額が高ければファイナンスリース、安ければオペレーティングリースと判断できます。AEDのリース総額は購入価格よりも高い場合が多いので、ファイナンスリースだと考えられます。

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また、AEDのリース期間は5年というものが多いです。契約期間が自由に変更できるのならばオペレーティングリースの可能性もありますが、そうでないならファイナンスリースの可能性が高くなります。

オペレーティングリースがリース総額を安くできるのはリース期間終了後の物品を売却できるためですが、AEDの性質上、中古品の売却というのは難しいはずです。

このようなことから、AEDのリースはファイナンスリースである可能性が高いですが、実際には個別の契約を確認する必要があります。いずれにしろリース総額は購入するよりも高くなる傾向にあります。

AEDのリースとレンタルの比較

調べてみるとAEDではリースよりもレンタルの方が多いようですが、それはレンタルの方がユーザーにとってメリットがあるからです。

リースとレンタルの比較を表にしてみました。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。

リース レンタル
期間 5年が多い 数日から数年まで自由に設定できる
料金 保守費用が含まれない場合もある 保守費用の分だけ高い傾向
消耗品 個々の契約によるが基本的には別途費用 個々の契約によるが基本的には料金に含まれる
新品か 契約ごとに新品 新品とは限らない
経理処理 1.資産に計上して減価償却
2.月々のリース料をそのまま経費処理
月々のレンタル料をそのまま経費処理

以下でリースとレンタルの違いを、項目ごとに見ていきましょう。
なおリースはファイナンスリースだという前提です。

期間の違い

リースは契約期間が固定されていて、5年というものが多いですが、レンタルは基本的に期間を自由に設定できます。

そのため、イベントなど期間が限られている場合には、レンタルが適しています。

また、レンタルは数年単位の長期にも対応できるので、レンタルのほうが幅広い期間に対応できることになります。

料金の違い

リースもレンタルも月々の支払いであることは変わりがありませんが、料金はレンタルの方が高くなる傾向があります。

基本的にリース契約にはメンテナンスが含まれていませんが、レンタルではメンテナンス代もレンタル会社負担になります。そのため、メンテナンス代が料金に上乗せされていると考えられるからです。

ただし、リースでも消耗品の交換サービスがあったり、レンタルでも消耗品の一部はユーザー負担の場合もあるので、個々のケースで違ってきます。

リースと同じ期間、レンタルするなら、レンタルの方が高くなる可能性が高いということです。

消耗品の交換

前述のように、一般的にリース契約には物品の保守管理は含まれませんが、AEDのリースでは電極パッドなどの消耗品の交換費用も料金に含まれている場合があります。

また、レンタルの場合は一般的に物品の保守管理はレンタル会社の負担のはずですが、レンタル会社によっては電極パッドの交換費用がユーザー負担の場合もあります。

これも個々のケースでの確認が必要ですが、レンタル会社の方が負担してくれている傾向があります。ただし、その費用もレンタル料金に含まれていることに注意が必要です。

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AEDは新品か

リースの場合は基本的に契約ごとに新しいAEDが用意されますが、レンタルの場合はレンタル会社が所有するAEDを複数のユーザーに貸し出すので新品でない可能性があります。

レンタルの場合は、貸し出されたAEDの保証期間や耐用年数、故障した場合には代替品があるのか確認する必要があります。

経理上の処理

よくAEDのリースは「リース料」として経費処理できると説明されますが、必ずしもそうとは限りません。

ファイナンスリースの場合は基本的には資産に計上して、減価償却を行わなければいけません。「リース総額が300万円以下」などのいくつかの条件を満たした場合には、資産計上せず(オフバランス)リース料をそのまま経費にすることができます。

資産に計上しなければいけないのかどうかは、個々の契約や会社で採用している会計基準によって異なってきます。詳しくは経理担当者や税理士・会計士に相談してください。

レンタルの場合は、単純にレンタル料を経費として処理するだけです。

リースよりもレンタルがおすすめ

こうしてみるとレンタルの方がメリットが多いことがわかります。
特に期間を自由に設定できる点と、経理処理が面倒になりにくい点がありがたいですね。

AEDのリースを検討している方は、一度レンタルも検討してみることをおすすめします。

また、トータルの費用でみると、リースやレンタルよりも購入する方が安く済みます。レンタルといっしょに購入した場合も比較してみるのがよりいいでしょう。







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