AEDはずっと使い続けられるものではなく、機種ごとに耐用年数が設定されています。
しかし、ほとんどの機種では耐用年数とメーカーの保証期間とは異なってきます。
また、減価償却上の法定耐用年数もAEDにはきちんと定められています。
これらの耐用年数についてまとめてみました。
耐用年数と保証期間との違い
下記の記事で説明していますが、AEDの耐用年数は保証期間とは異なる場合が多いので注意が必要です。
参考記事AEDに関する様々な疑問を解説。救命時に女性の胸を露出させていいのか等
耐用年数と保証期間
耐用年数:メンテナンスした上で安全に使用できる期間
保証期間:正常な使用の範囲での故障にメーカーが無償対応してくれる期間
ほとんどの機種では、耐用年数よりも保証期間の方が短くなっています。
製品としては耐用年数分だけ使用することが可能ですが、メーカーが無償修理してくれるのはもう少し短い期間だということです。
会計上の耐用年数
使用上の耐用年数の他に、会計上の減価償却で用いられる耐用年数(法定耐用年数)もあります。
AEDは「減価償却資産」の区分のうちの「器具・備品」にあたり、その法定耐用年数は4年です。
AEDを会計上で資産として計上した場合は、4年をかけて償却されていくことになります。
AED主要機種の耐用年数・保証期間
一般用AEDの主要機種の耐用年数と保証期間を一覧にしてみました(下記記事内の表を再掲しています)。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。
機種名 | 耐用年数 | 保証期間 |
カルジオライフ AED-3100 |
8年 | 5年 |
レスキューハート HDF-3500 |
7年 | 5年 |
シーユー SP1 | 7年 | 5年 |
ハートスタート HS1+ | 7年 | 5年 |
ZOLL AED Plus | 7年 | 5年 |
ライフパックCR Plus | 8年 | 8年 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
6年6ヶ月 | 5年 |
耐用年数は7〜8年というのが相場のようですが、保証期間はライフパックCR Plus以外は全て5年です。
ライフパックCR Plusのみは耐用年数と保証期間が同じで、8年と最長になっています。
保証期間と耐用年数の考え方
AEDを設置するにあたって、耐用年数と保証期間をどのように考えればいいのでしょうか?
費用対効果を考えれば、耐用年数目一杯の期間で設置したいところですが、年数を経るほど故障のリスクは高くなります。
保証期間を過ぎて故障した場合の修理は有償になりますが、修理しても耐用年数まで2〜3年しか残らない機種がほとんどです。それならば故障のリスクが低い新品に買い替えた方が無難です。
このように耐用年数まで使用する場合には有償修理の費用も見込んでおく必要があるので、実際の耐用年数=保証期間と考えて、保証期間ごとに買い替えていくのがベストになります。
バッテリーの寿命
AEDの耐用年数を考える上で見落としがちなのがバッテリーの寿命です。
AED本体とは別にバッテリー自体にも寿命があり、期限が過ぎれば交換する必要があります。
問題なのはほとんどの機種でバッテリーの寿命が保証期間よりも短いため、保証期間内に必ずバッテリーの交換が必要になってくるということです。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。
機種名 | 電極パッド寿命 | バッテリー寿命 | 本体の保証期間 |
カルジオライフ AED-3100 |
2年8ヶ月 | 4年 | 5年 |
レスキューハート HDF-3500 |
4年 | 電極パッドと一体型 | 5年 |
シーユー SP1 | 3年 | 5年 | 5年 |
ハートスタート HS1+ | 2年6ヶ月 | 4年 | 5年 |
ZOLL AED Plus | 5年6ヶ月 | 3年 (本体に2組付属) |
5年 |
ライフパックCR Plus | 2年 | 2年 | 8年 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
2年6ヶ月 | 電極パッドと一体型 | 5年 |
表からもわかるように、ほとんどの機種のバッテリーの寿命は4年以下なので、保証期間内に交換が必要になります。
バッテリーの価格は機種によって異なりますが、20,000〜36,000円というのが相場です。
バッテリーの価格についても下記の記事でまとめています。
唯一、シーユーSP1のみがバッテリーの寿命と本体の保証期間が同じです。
また、ZOLL AED Plusのバッテリーの寿命は3年ですが、本体に2組付属しているので、保証期間内に交換する分が初めから付属していることになります。
この2機種以外は、保証期間に最低1回はバッテリー交換の手間と費用がかかることになります。
また、ライフパックCR Plusは保証期間が8年と最長ですが、バッテリーの寿命が2年しかないので、保証期間内に最低3回は交換する必要があります。
耐用年数でおすすめのAED機種
耐用年数の面でおすすめの機種は
- ライフパックCR Plus(耐用年数が8年と最長)
- シーユーSP1(保証期間とバッテリーの寿命が同じ5年)
- ZOLL AED Plus(交換用バッテリーがあらかじめ付いている)
の3機種です。
とにかく1台を長く使いたい
1台をとにかく長く使いたい場合は、耐用年数・保証期間が最長のライフパックCR Plusという選択肢になります。
それ以外の機種の保証期間が5年なのに対して、ライフパックCR Plusは8年になります。
ただし、バッテリーの寿命は2年と主要機種の中で一番短いので、消耗品交換費用も把握した上での検討が必要です。
参考記事AEDの消耗品コストを機種ごとに比較。消耗品コストは年間いくらなのか?
バッテリー交換の費用を削減したい
保証期間内のバッテリー交換費用を削減したいのなら、シーユーSP1とZOLL AED Plusの2機種がおすすめです。
シーユーSP1はバッテリーの寿命が本体の保証期間と同じなので、よほどバッテリーが消耗しない限り交換の必要はありません。
ZOLL AED Plusのバッテリーの寿命は3年ですが、交換用バッテリー1組があらかじめ付属しているので、追加費用が発生しません。
おすすめ機種の販売会社
下記は各機種の販売会社です。気になる方は資料請求や見積もり依頼などをしてみてください。
ライフパックCR Plus
株式会社ヤガミ
ページ下部より、資料請求申し込み、カタログダウンロードが可能です。
シーユーSP1
AEDコム
ページ上部その他から見積もり請求できます。
10件以上の導入事例も掲載されていて、参考になります。
ZOLL AED Plus
旭化成ゾールメディカル
電話と申し込みフォーラム両方での問い合わせが可能です。