AEDの導入には本体価格だけでなく、消耗品のコストもかかってきます。
AEDを単に設置するだけではなく、消耗品の管理を含めたメンテナンスをしなければ、いざという時に不具合が出ないとも限りません。
そのためには「どんなタイミングで、コストがいくらかかるのか?」を導入前にあらかじめ把握しておくのがベストです。
AEDの消耗品コストは機種によってだいぶ違うので、以下では機種ごとに比較してみました。
消耗品コストの種類
AEDの消耗品コストにはどういったものがあるのでしょうか?
主に以下の3つが考えられます。
- 電極パッドの予備
- 電極パッドとバッテリーの寿命による交換
- 電極パッドの使用(除細動実施)による交換
電極パッドとバッテリーがAEDの基本的な消耗品になります。どちらにも寿命があり、数年ごとに交換が必要です。電極パッドは使い捨てなので、使用するたびにも交換しなければいけません。
また、電極パッドを注文して納品されるまでには数日かかります。その間に心停止が起こらないとも限らないので、予備の電極パッドもあらかじめ用意する必要があります。
以下ではこの3つの消耗品コストについて見ていきましょう。
消耗品の単価と寿命
具体的に消耗品のコストを見ていく前に、単価と寿命を確認してみます。
消耗品の単価
AEDの消耗品の価格は機種によって異なります。価格だけでなく、電極パッドがバッテリーと一体になっているタイプもあれば、電極パッドとバッテリーは一体ではないけれどもセットで販売されている機種もあるなど、形式や販売形態も様々です。
下記の表は民間用AED主要機種の消耗品の単価です。金額はすべて税別です。
*表が途切れている場合は横スクロールして下さい。
機種名 | 電極パッド単価 | バッテリー単価 |
カルジオライフ AED-3100 |
9,800 | 36,000 |
レスキューハート HDF-3500 |
30,000 | 電極パッドと一体型 |
シーユー SP1 | 9,800 | 36,000 |
ハートスタート HS1+ | 10,000 | 34,000 |
ZOLL AED Plus | 26,000 | 7,200 |
ライフパックCR Plus | 2組がバッテリーと セット販売 |
18,000 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
20,000 | 電極パッドと一体型 |
比較しているのはこちらの記事で扱った7つの機種です。
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電極パッドは1万円前後、バッテリーは3万円前後というのが相場のようですね。電極パッドとバッテリーが一体型のものはバッテリー並みの価格になります。
ZOLL AED Plusの電極パッドは一体型並みの価格ですが、これは胸骨圧迫のテンポや深さを計測するセンサーがついているためのようです。反対にバッテリーの価格は抑えられています。
ライフパックCR Plusは一体型ではありませんが、電極パッド2組とバッテリー1つのセット販売で18,000円という価格になります。
消耗品の寿命
消耗品のコストには価格だけではなく、寿命(使用期限)も関係してきます。
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機種名 | 電極パッド寿命 | バッテリー寿命 | 本体の保証期間 |
カルジオライフ AED-3100 |
2年8ヶ月 | 4年 | 5年 |
レスキューハート HDF-3500 |
4年 | 電極パッドと一体型 | 5年 |
シーユー SP1 | 3年 | 5年 | 5年 |
ハートスタート HS1+ | 2年6ヶ月 | 4年 | 5年 |
ZOLL AED Plus | 5年6ヶ月 | 3年 (本体に2組付属) |
5年 |
ライフパックCR Plus | 2年 | 2年 | 8年 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
2年6ヶ月 | 電極パッドと一体型 | 5年 |
ポイントは「消耗品の寿命が本体の使用期間よりも短いかどうか」です。消耗品の寿命が本体の使用期間よりも短いと、必ず交換が必要になります。
「保証期間=使用期間」だとすると、ほとんどの消耗品は使用期間よりも寿命が短くなります。
消耗品の寿命が保証期間と同じかそれよりも長いものは、シーユーSP1のバッテリーとZOLL AED Plusの電極パッドの2つだけになります。
予備パッドのコスト
電極パッドの単価を反映した予備パッドのコストです。
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機種名 | 電極パッド単価 |
カルジオライフ AED-3100 |
9,800 |
レスキューハート |
30,000 |
シーユー SP1 | 9,800 |
ハートスタート HS1+ | 10,000 |
ZOLL AED Plus | 26,000 |
ライフパックCR Plus | 0 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
20,000 |
予備パッドのコストは単純に電極パッド1つ分の費用になるはずですが、ライフパックCR Plusのみはあらかじめ本体といっしょに予備パッドが付いているので、費用なしということになります。
当然ですが、電極パッドとバッテリーが一体型のものが高くなります。
寿命による交換のコスト
消耗品の単価と寿命を考慮して、保証期間内に発生する消耗品の交換費用を計算してみました。
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機種名 | 電極パッド交換コスト | バッテリー交換コスト |
カルジオライフ AED-3100 |
19,600 | 36,000 |
レスキューハート HDF-3500 |
60,000 | 電極パッドと一体型 |
シーユー SP1 | 19,600 | 0 |
ハートスタート HS1+ | 20,000 | 34,000 |
ZOLL AED Plus | 0 | 0 |
ライフパックCR Plus | 2組がバッテリーと セット販売 |
54,000 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
40,000 | 電極パッドと一体型 |
予備を含めた電極パッド2つとバッテリー1つをそれぞれ1回ずつ交換するのが、基本的な形です。
電極パッドとバッテリーが一体型のレスキューハートとカーディアックレスキューは、パッドの交換=バッテリーの交換という形になります。
シーユーSP1のバッテリーとZOLL ARD Plusの電極パッドの寿命は保証期間以上なので、交換費用は発生しません。
また、ZOLL AED Plusには最初から予備のバッテリーがついているので、バッテリーの交換費用も発生しないです。
ライフパックCR Plusのみは保証期間が8年と長いのですが、電極パッドとバッテリーの寿命が2年ですので、保証期間内に3回交換する計算になります。
電極パッドの使用(除細動実施)による交換コスト
除細動を行なったために発生するパッドの交換費用です。発生頻度は4年に1回という設定で計算しています。
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機種名 | 電極パッド単価 |
カルジオライフ AED-3100 |
9,800 |
レスキューハート HDF-3500 |
30,000 |
シーユー SP1 | 9,800 |
ハートスタート HS1+ | 10,000 |
ZOLL AED Plus | 26,000 |
ライフパックCR Plus | 36,000 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
20,000 |
基本的には使用した電極パッド1つを補充する費用がかかりますが、ライフパックCR Plusのみは保証期間内に2回起こることになるので2つ分かかります。
総合的な消耗品コスト
上記の予備パッドのコスト、消耗品の寿命による交換コスト、電極パッドの使用による交換コストを合計して、1年あたりの消耗品コストを計算してみました。
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機種名 | 1年あたりの消耗品コスト |
カルジオライフ AED-3100 |
15,040 |
レスキューハート HDF-3500 |
24,000 (「AED安心パック」利用時:12,000) |
シーユー SP1 | 7,840 |
ハートスタート HS1+ | 14,800 |
ZOLL AED Plus | 10,400 |
ライフパックCR Plus | 11,250 |
カーディアックレスキュー RQ-5000 |
16,000 |
年間の消耗品コストは15,000円が目安ということになるでしょうか。
やはり電極パッドとバッテリーが一体型のものが高くなる傾向にあります。
シーユーSP1が一番安く、1万円を切っていますが、これは保証期間内でバッテリーの交換費用が発生しないことが大きいですね。シーユーSP1は本体価格も高い方ではないので、費用を抑えたい場合にはおすすめです。
消耗品コストが無料になるサービス
反対に消耗品コストが一番高くつくのがレスキューハートです。レスキューハートは持ち運びに便利な重量1.1kgの軽量モデルですので、導入を検討している方も多いと思いますが、その場合には消耗品のコストがネックになってきます。
その点を考慮して、レスキューハートには「AED安心パック」というサービスが標準でつくようになっています。これは電極パッドの交換時期と除細動実施時に交換の電極パッドを無料で送付してくれるというものです。
「AED安心パック」を利用すれば、予備パッド以外の消耗品コストは無料になります。この場合には年間の消耗品コストは12,000円になり、通常の半分の費用で済むことになります。
まとめ
AEDの電極パッドやバッテリーはそれぞれ価格や寿命が異なるので、消耗品コストを一律に比較するには多少の計算が必要です。複数の機種のコストを計算するのは大変ですから、上記の年間消耗品コストの比較表を参考にしていただければと思います。
特に、消耗品コストが低いシーユーSP1と、消耗品無料サービスのあるレスキューハートはおすすめです。
下記のAED販売店ではどちらも販売しており、無料見積もりは原則即日発送してくれます。また、レスキューハート以外の機種にも消耗品交換サービスを独自に用意しているので、気になる方は見積もりをとってみてください。見積もり依頼もWEB上で1分以内に完結するので簡単です。