AEDを導入する前に考えること

保育所・幼稚園でのAED導入のポイント。窒息・誤嚥・溺死・アレルギーなどの事故対策。

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園児たちへの保護責任があること、また危機管理を怠ると法的な責任が問われる可能性があることなどから、保育所や幼稚園でもAEDの導入は必要になってきます。

この点については、下記の記事で解説しました。

参考記事保育所・幼稚園にAEDは必要なのか?訴訟リスク、マニュアル作成の必要性など。

AEDの導入には、具体的に心肺停止が発生し得る状況を想定することが重要ですが、保育所や幼稚園での心肺停止の発生要因は、他の施設とは異なり特殊な傾向があります。

そこで、ここでは保育所・幼稚園で心肺停止が起こる可能性がある場面ごとの予防策と対処法、そしてそれらを踏まえた上でのAED導入のポイントを具体的にまとめてみました。

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保育所・幼稚園での心肺停止の要因

保育所や幼稚園で心肺停止につながるのは窒息によるものがほとんどです。

内閣府が作成した「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」では、重大事故が発生しやすい場面として以下の5つを挙げています。

保育所・幼稚園で重大事故が発生する場面

  1. 睡眠中(窒息、乳幼児突然死症候群)
  2. プール活動・水遊び(溺死)
  3. 食事中(誤嚥)
  4. 玩具・小物等(誤嚥)
  5. 食物アレルギー

教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン(施設・事業者向け)/内閣府

これらが危険なのは窒息が起こる、または窒息につながる危険性が高いためです。食物アレルギーは必ずしも窒息を引き起こすわけではありませんが、呼吸困難やショック状態になる可能性は少なくありません。

つまり、保育所や幼稚園での重大事故・心肺停止への対策とは窒息への対策といっても過言ではないのです。

窒息に対する心肺蘇生法

上記の重大事故が発生する場面への防止策は個々の場面それぞれに必要になりますが、それらが実際に起こった時の対処法は窒息に対する心肺蘇生法として統一することができます。

窒息による心肺停止が起こった時、それに対する基本的な心肺蘇生法は一次救命処置(BLS)になります。これはは他の場合と変わりがありません。

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しかし窒息の場合には、以下のような手順や注意点が加えられます。

1. 119番通報

他の場合でも、心肺停止になっている人を発見したらまず119番通報しますが、窒息の場合は気道異物の除去や人工呼吸など、他とは違う手順を行う必要があります。そうしたことに気づいて冷静に行えればいいですが、パニックになって通常とは違う手順が必要であることに気づかないことのほうが多いでしょう。

ですから、窒息の場合は119番通報して、救急隊を要請したのち、「どのように対処したらよいか」通信指導員の指示を仰ぐようにしましょう。万が一、気道異物の除去や人工呼吸を忘れていても、通信指導員が指示してくれます。

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2. 気道異物の除去

食べ物や小物を喉に詰まらせた窒息の場合、それらが気道を塞いでいるため、呼吸ができなくなっています。まずは気道の異物を取り除くことが必要になります。

咳をしている場合は気道は完全に塞がっていないので、そのまま強く咳をするように促しましょう。咳によって異物が出てくることがあります。

咳をしても異物が出てこない場合は、背部叩打法や腹部突き上げ法などの気道異物除去法を試してみます。1歳未満の乳児の場合には腹部突き上げ法では内臓を損傷する可能性があるので、代わりに胸部突き上げ法を行います。幼児の場合でも腹部突き上げ法は内臓を傷つけている可能性があるので、救急隊員に実施したことを伝えましょう。背部叩打法→腹部突き上げ法(胸部突き上げ法)という順番で、交互に行うのがベストです。

下記の動画は日本赤十字社東京都支部の気道異物除去法の解説です。参考にしてみてください。

気道異物除去法は異物が取れるか、反応がなくなるまで続けます。反応がなくなった場合には、異物が取れていなくても心肺蘇生法の手順を開始します。異物除去を優先して、心肺蘇生法を遅らせることがないように注意しましょう。

3. 人工呼吸

心肺蘇生法のガイドラインである「JRC蘇生ガイドライン2015」では、人工呼吸は省力可能であるとされています。これは実際の統計上でも、人工呼吸と胸骨圧迫を組み合わせて行なった場合と、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫のみを行なった場合とでは救命率に差が見られないためで、心肺停止になってもまだ血液中には酸素が残っているためだと考えられてます。

しかし、窒息の場合には体内での酸素がなくなったのち心肺停止にいたるので、人工呼吸が必要になります。

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胸骨圧迫30回に対して人工呼吸2回というのが回数の目安です。また人工呼吸2回は10秒以上の時間をかけないようにして、胸骨圧迫の中断を長引かせないようにします。たとえ取り入れた酸素が少ない場合でも、胸骨圧迫で血液が循環しないことのほうがリスクが大きいのです。

乳幼児に対する心肺蘇生法の注意点

以上は成人も対象に含めた窒息に対する心配蘇生法の注意点です。

これに加えて、乳幼児に対して心肺蘇生法を行う場合には若干の注意点があります。

1. 胸骨圧迫の深さ

胸骨圧迫の深さは成人では5cmとされていますが、幼児の場合には胸の厚さの1/3ほどとされています。いずれにしろ、思った以上の力で押さなければならないので、事前に救命講習を受けて力の加減を実際に覚えておくのがベストです。

乳児の場合には、乳首を結んだ線中央の少し下の部分を、指2本で押すようにします。

2. 乳児に対する人工呼吸

幼児に対しては成人と同じように、片方の手で鼻をつまんで口から口へ息を吹き込みます。

乳児の場合には、鼻を手でつままず、自分の口で乳児の口と鼻を一緒に覆って息を吹き込みます(口対口鼻人工呼吸)。

3. AEDによる除細動

AEDに小児モードがある場合は小児モードに切り替えます。小児モードがない場合は、そのまま成人モードで使用します。

乳幼児の場合は体の面積が小さいので、成人と同じように電極パッドを貼っては2つの電極パッドが触れてしまう可能性があります。その場合には電極パッドは胸と背中に分けて貼るようにしましょう。2つのパッドが心臓を挟んでいれば問題ありません。

参考動画幼児・乳児の心配蘇生/日本赤十字社東京都支部

4. 乳幼児に対する心配蘇生法の救命講習

以上が乳幼児に対する心肺蘇生法の注意点です。

保育所や幼稚園の職員は通常の心肺蘇生法に加えて、これらの乳幼児に対する注意点と先ほどの窒息に対する心肺蘇生法を習得する必要があります。

通常の救命講習では、乳幼児に対する人工呼吸や気道異物除去法までは指導してくれないので、救命講習を受ける場合には乳幼児に対する心肺蘇生法を内容としたものを選ぶようにしましょう。

各地の消防署では市民向けの救命講習を内容によっていくつかのバリエーションに分けていて、そのうちの「普通救命講習Ⅲ」は乳幼児に対する心肺蘇生法を内容としています。

救命講習の受講を検討する際には、まずは最寄りの消防署に相談してみましょう。

就寝時の心肺停止の予防と対処法

ここからは冒頭で挙げた重大事故が発生する場面ごとの防止策と対処法を見ていきましょう。

まず、就寝時(お昼寝)の際に窒息、心肺停止の原因となるのは以下が考えられます。

就寝時に窒息、心肺停止になる要因

  • うつぶせ寝、寝返り
  • ふとんや枕が柔らかすぎて、頭が沈んで呼吸できなくなる
  • 衣服、タオル、クッション、ぬいぐるみなどが口鼻を塞ぐ
  • ヒモ状のものが首に絡まる
  • 嘔吐の吐瀉物で気道が詰まる
  • 乳幼児突然死症候群

これらに対する予防策は以下のようになります

就寝時の窒息予防策

  • 定期的に園児の呼吸や体位などを点検する
  • うつぶせに寝かせない
  • 寝返り防止グッズを利用する
  • 柔らかいふとんやぬいぐるみなどを使用しない
  • ヒモ状のものを置かない
  • お昼寝前にものを食べさせない

園児の就寝中にも定期的に点検することが基本になります。

乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は元気だった乳児が睡眠中に突然死亡する病気のことで、その原因はいまだに解明されていません。平成28年度では国内で109名の乳児が亡くなっており、乳児の死亡原因では第3位となっています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)について/厚生労働省

乳幼児突然死症候群は原因が判明しないので、明確な予防策を立てられませんが、就寝時の定期的な点検を行うことで、早期発見による心配蘇生が可能になります。

万が一、就寝時に窒息や心肺停止を発見したなら、前述の人工呼吸を組み合わせた乳幼児に対する心肺蘇生法を実践しましょう。

溺死(プール・水遊び)の予防と対処法

プールや水遊びでの窒息・心肺停止の原因は溺れること(溺死)になります。

プール・水遊びでの窒息予防策

  • 園児の指導係とは別に監視役を設ける
  • 監視者は監視に専念し、監視の空白が生じないようにする
  • 常に目線を動かして、監視エリア全域をくまなく監視する
  • 事前に監視体制と緊急時の対応手順、心肺蘇生法の習得の確認を行う
  • 携帯電話、AEDを手元に置いておく
  • 監視体制が不十分な場合、時間的に余裕がない場合には中止する

プールや水遊びでの窒息対策は監視の空白を生じさせないことが第一となります。これにはプール活動を指導する職員以外に監視者を設けることが有効です。

プールでの監視の重要性を示す事例として、2011年に神奈川県大和市の幼稚園で3歳の園児が溺死した事件があります。園児が溺れた際、担任教諭は用具の片付けに注意を向けていたため、短時間ですが園児から目を離してしまいました。神奈川県警は業務上過失致死の疑いで担任と園長を書類送検しています。

つまり、プールで一瞬でも園児から目を離すことは、犯罪に等しい行為だと見なされる可能性があるのです。

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また、この事件では園児の発見後に119番通報はなされず、水を吐かせようとはしたようですが、人工呼吸や胸骨圧迫といった心肺蘇生法も試みられなかったようです。担任が目を離したのは短時間だったということですから、発見直後に119番通報や胸骨圧迫を行なっていれば、園児は蘇生された可能性もあります。

このように少しでも監視の目を怠ると園児は溺れる可能性があるので、プールや水遊びを行う前には緊急時の対応手順や心肺蘇生法、そしてAEDの有無などを確認しておくことも重要です。プールが始まる前にこれらの確認を年間スケジュールに組み込んでおけばいいのです。

この事件は消費者庁によって詳細に調査されていますので、参考にしてみてください。

平成23年7月11日に神奈川県内の幼稚園で発生したプール事故/消費者庁

溺水への対処法

万が一、園児が溺れた場合には、119番通報したのち人工呼吸をともなった心肺蘇生法を実施しましょう。事例のように水を吐かせることにはほとんど意味がありません。むしろ胸骨圧迫を遅らせることになり有害になります。

AEDはプール際など床が水で濡れていても使用することができます。電極パッドを貼る際に皮膚の水分を拭き取ることに注意すればOKです。

誤嚥の予防と対処法

誤嚥には食べ物によるものと、それ以外の小物になるものとがあります。

誤嚥の原因となるもの

  • 園児の咀嚼能力に合わない食べ物
  • 髪どめのゴム
  • キーホルダー
  • ビー玉

誤嚥の予防策

  • 食事は園児が咀嚼・嚥下しやすいように工夫する(小さく切るなど)
  • 誤嚥しやすい食べ物を事前に把握し、避ける
  • 園児の食事に関する能力を園内で共有する
  • 一人で食事させない
  • 食事だけでなく、おやつも注意して介助する
  • 食べ物を飲み込んだことを確認する
  • 水分を適切に与える
  • 誤嚥の可能性があるものを身の回りに置かない
  • 保護者に説明して誤嚥の可能性があるものを園児に身につけさせない

食事には常に誤嚥の可能性があると考えて、事前に予防策を施していくことが重要です。

園児が食事中に軽く咳き込むことはよくあると思いますが、それが誤嚥の前兆です。咳一つも見逃さないぐらいの注意ができれば、誤嚥も早期発見が可能になります。

食事後も、まだ嚥下(飲み込むこと)できていなかったり、食べ物が逆流して誤嚥が起こる可能性があります。園児たちがちゃんと嚥下できているか確認するとともに、食事後の運動・睡眠は控えるなど注意も必要です。

誤嚥の対処法

咳が出ている場合は、咳を促して異物が出てくるようにします。異物が出てこない場合は、背部叩打法などで介助しましょう。

咳が出なくなったり、意識がなくなったら、119番通報して、人工呼吸を組み合わせた心配蘇生法を実施します。

重要なことは異物除去よりも心配蘇生を優先させることです。意識がなくなった時点で、異物が明らかに除去できそうな場合以外は人工呼吸と胸骨圧迫を中断しないようにします。

アナフェラキシー(アレルギー症状)の予防と対処法

アレルギー疾患は気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎など様々な形をとりますが、乳幼児期には食物アレルギーが特に多く見られます。ある調査では1歳児の10%弱が食物アレルギーを持っているということです。

アレルギー反応には、蕁麻疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状などがありますが、これらの症状が急激に複数同時に起こる状態をアナフェラキシーといいます。その中でもショック状態(血圧低下、意識障害)に陥ったものをアナフェラキシーショックと呼び、生命に関わる重篤な状態だとされています。

乳幼児に多い食物アレルギーでも10%ほどはアナフェラキシーショックに陥ると言われており、最悪の場合には死を招くという認識が必要です。

アナフィラキシーの原因(アレルゲン)

  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • 大豆
  • ナッツ類
  • 甲殻類
  • 魚介類
  • そば
  • ハチなどの虫刺され
  • ペニシリン、解熱鎮痛剤などの薬品

アナフェラキシーの原因となるのはハチなどの虫に刺された場合や特定の薬品などがありますが、保育所や幼稚園で注意しなければならないのは食品になります。

特に鶏卵は食物アレルギーの原因の50%、牛乳は20%を占めると言われています。

アナフェラキシーの予防策

  • 保護者から園児のアレルギーについて情報を把握する
  • 保護者にアレルギー疾患生活管理指導表を提出してもらう
  • 必要であれば、主治医にアレルギー疾患生活管理指導表を記載してもらう
  • アレルギー疾患生活管理指導表を年1回見直す
  • 鶏卵・牛乳・小麦はできるだけ除去するか、代替食に切り替える
  • 基本的には家庭でとったことがない食品は与えない
  • 献立、調理、配膳でヒューマンエラーが起きないようチェックする

予防の基本は園児のアレルギーを把握して、そのアレルゲンを与えないことです。保護者との情報共有にはアレルギー疾患生活管理指導表が役に立ちます。厚生労働省からダウンロードできるので活用しましょう。

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2012年改訂版)【分割版】/厚生労働省

園児のアレルギーについては、保護者が正しく把握しているとは限りません。できるだけ医師にアレルギー疾患生活管理指導表に記入してもらうのが望ましいです。

園児のアレルギーを十分に把握して、対策をしていても、調理や配膳の際のちょっとしたミスでアナフェラキシーが起こってしまうこともあります。容器の色を区別したり、ダブルチェックを行うなど、ヒューマンエラーが起こり得る部分を把握して、それに対する対策を施すことが重要です、

エピペンの使用

アナフェラキシーの症状が見られたら、119番通報し、その後、反応がなくなれば、AEDの手配、人工呼吸、胸骨圧迫といった一連の心配蘇生の手順をとりましょう。

もし園児にエピペンが処方されている場合は、その前にエピペンを使用します。

エピペンとはアナフェラキシーの危険性が高い人に医師があらかじめ処方する自己注射薬のことです。アナフェラキシーショックの場合には、30分以内にエピペンを使用できるかが生死を分けるとも言われています。

誰にエピペンが処方されているかを普段から把握していること、疑わしい症状の場合にはためらわずに使用すること、事前にエピペンの使用法を学習しておくことが重要です。

参考動画エピペン®の正しい使い方など/文部科学省

保育所・幼稚園に適したAED

以上、保育所や幼稚園で心肺停止が起こりうる場面ごとの予防策と対処法を見て気ました。こうしたことを考慮して、保育所・幼稚園に適したAEDと、導入のポイントをまとめてみました。

1. 小児モードの有無

普通、「小児」という言葉は中学生ぐらいまでの子供を指しますが、AEDの「小児モード」の対象は6歳未満の未就学児になります。この点で保育所や幼稚園はAEDの小児モードが必須となる数少ない施設になります。

2. スイッチ式の小児モード

AEDにはスイッチで小児モードに切り替わる「スイッチ式」と、専用の電極パッドに交換することで切り替わる「パッド交換式」の2種類があります。

保育園・幼稚園にオススメなのは切り替えが簡単な「スイッチ式」です。

「パッド交換式」には、使用時にパッド交換の手間がかかる、通常の電極パッドに加え、小児用電極パッドのコストがかかるなどのデメリットがあります。

機種ごとの機能についてはこちらの記事を参考にしてください。

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3. 価格・コストの安いもの

こちらの記事でも紹介しましたが、0〜9歳までの心肺停止の発生頻度は成人と比較するとかなり低くなります。だからといって、備えをしていないと法的な責任も問われる可能性があることもこちらの記事で説明しましたが、発生頻度を考えるとできるだけ安価なAEDを導入するのが理にかなっています。

AEDは使用しなくても消耗品のコストがかかるので、コストは消耗品の交換費用も含めて考えることが重要です。

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4. 補助金も考慮して、レンタルではなく購入がおすすめ

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5. 意識を風化させないように定期的に訓練

AEDを設置したり、マニュアルを作成していても、いざという時に使用できなければ意味がありません。定期的な訓練や確認が必要になります。

例えば夏前にはプールに備えて、AEDの点検や心肺蘇生法の再確認を行うなど、毎年のスケジュールに組み込んでおけば、忘れることもなく、定着しやすくもなります。使用頻度が少なければ、AEDの消耗品への意識も薄くなるので、緊急時の手順確認と合わせて定期的にチェックするようにしましょう。

まとめ

保育所や幼稚園で起こりうる事故に関しては、まず窒息に対する予防と対処法が必要になります。

窒息につながる直接的な原因は様々なかたちがあり、個々の予防が必要になりますが、対処法は119番通報、人工呼吸と胸骨圧迫、AEDの手配など共通したものとなるので、必ず押さえておくようにしましょう。

AEDの導入に関しては、機能的には小児モード(できればスイッチ式)があれば問題ありません。それ以外にこだわる部分は特にありませんから、価格を抑えることに重点を置いて考えることができます。そのためには補助金の活用とAED自体の価格を抑えることが重要です。

AEDの価格抑制については下記の記事を参考にしてみてください。

参考記事【購入前に要確認】AEDの価格を抑えて購入する方法とは?







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